なめ物造り

醤油搾りの項で述べたが、自給自足は百姓の鉄則と、昔から言われてきたが、それには日頃、
自分で生産した大豆や麦を使うて簡単に出来る栄養価も高い「なめ物」(なめみそ)を造うて一品でも買う足しにする様に挟けられた。
交際費(お付き合い)や納め物(公租公課)は削るわけにはいかないし、かと言ってあまり惨めな生活も出来ないし。大豆と大麦の精白したのとを麹菌を利用して発酵させ、煮、ざましを加えて諸味状に仕込んだものがなめ物である。
まず、大豆二~三升位を倍熔で妙うて、少量ずつ(二合位)を中型の「しらき」(太い木をく
りぬいて造うた「こね鉢」)に入れ、「しらき」の底と一升析や五合析の底でごりごり力を入れて乗し掛かって左右に捻って皮を剥ぎ、それを箕で吹いて皮を除き、精白した大麦四升位を二昼夜位水に浸潰して「しようぎ」に揚げて水を切り、妙った大豆と両方を合わせてむらのないようによく混ぜ、それを六升炊きへ突っかけて蒸篭でよく蒸して三十五、六度に冷まし、種菌を入れてよく混ぜ合わせ麹床(土聞の隅などによく乾いた稲藁を十センチも十五センチも厚く敷き詰めて、その上に席を二枚重ねて敷く)にあまり薄くなく広げ、またその上に蒋を二、三枚掛けて置くと麹菌の働きで熱が出て発酵する。
熱すぎぬように、熱を冷ましすぎぬように気を付ければ、数日で良い麹が出来る。それを瓶などへ塩と煮、ざましを加えてかき込む(仕込む)、と書けば、作文の筋書きだが、現実はなかなかそうはいかない。
私が子供の頃、祖母の「おひさおばあさん」が麹寝せのなんともであうたが、そう旨くばか
りはいかず、出来た「なめ物」(おなめ)も味がよくなく、ときには酸味があうたこともあった。どうも、そうした菌とか麹とかを使うたものは、どうしても麹の成否が鍵であると九十九パーセント言えるだろう。
下手に出来れば、家中の者が仕方なしもうたいないからと、嫌々ながらでなかなか終わらな
かうたし、上手に出来れば、家族も喜んで「なめ物樽」の中身も滅りが早く、麹主任の祖母のおひさおばあさんも鼻高々だった。

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